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縟瘡 ( じょくそう・床ずれ ) の治し方と予防

2025年・1月 記す


縟瘡(じょくそう)のことを床ズレとも言います。

縟瘡の穴は骨まで到達すると訊いていたので、それはそれは怖かったです。

日数はかかりましたが、治ったので、以下に説明する方法がいいと思います。

何が原因で発症するかは、訊いた人によっていろんなことを言われました。


最大の原因は血流です。

寝たきりですと、圧迫して血流が悪くなり、

血の流れない所の細胞が死んでしまうことによって発症します。


したがって、圧迫している所の血流を良くしてやればいい訳です。

そうは言っても、患者さんの意識が明瞭な人なら説明してあげれば自分で浮かしますが、

縟瘡を起こす人は、説明してもわからないと思います。介護する人がやってあげる必要があります。


縟瘡を治すには、イチにもニにも 『 体位変換 』 、これにつきるということを頭に叩き込んでください。

私は主治医から 1時間ごとに体位変換をしなさいと言われました。そのぐらいの頻度が理想です。

しかし、私の場合、介護するのは私ひとりでしたので、交代してくれる人がいない現実。


そこで私はケアマネージャーさんに病院への入院を相談してみました。

ところが、縟瘡程度では入院はさせてくれない、のが現実と知りました。

高齢者施設には絶対はいらないと言う母。

介護している私が治してやるしかないと覚悟を決めました。


医師の指定は 1時間ごとの体位変換ですが、私には交代者がいないので、少し時間を伸ばして対応しました。

昼間は約 2時間おき、夜間は約 3〜4時間のペースで体位変換しました。

それはそれは辛かったです。でも、やらなきゃ治らない、涙が出ました。


食料の買い物など、いつも時間に追われて、あらかじめ必要品を書いておいて、超速球で買い物。

今でも思いだすとその辛かったことに涙が出ます。でも、大穴が開いたのを治したという自信は宝物です。

いいですか、イチにもニにも『体位変換』、これにつきます。




上写真の貼り薬、これは使わないほうがいいと思います。

とりわけ『 デュオアクティブ ET 』は粘着力が強すぎて皮膚を破ってしまいます。

おまけに約 1週間ぐらい貼りっぱなしにしますが、その間に縟瘡はどんどん進行します。

皮膚は破れて出血はするし、縟瘡は治さなきゃいけないしで、たいへんな目に遭いました。

主治医の看護婦さんが『 サランラップ 』 を使いなさいと教えてくださり、危機を脱出。




医師に処方されたのは『白色ワセリン』です。

看護婦さんは『サランラップ』を使いなさいと教えてくださいました。

『オロナイン』は私の独断です。仕上げの最終段階で使います。最初は使わないように。

どちらもチューブ入りのほうがやりやすいですし、衛生的です。


縟瘡は先述しましたように細胞が死んで発症します。

細胞が死んでいたところを入浴などでこすると皮膚が破れてイッキに穴が開きます。

私は穴が開いた部位を消毒しようとして看護婦さんに尋ねたところ、

消毒液で細胞が死んでしまうので、消毒はしないように止められました。


穴が開いた部位はティッシュなどでそっと押さえ拭きをして、

白色ワセリンを穴に詰める感じで塗ります。

その時、片手だけ使い捨てのビニール手袋をして、指に白色ワセリンを出して塗ります。

素手で塗ると、雑菌が入ったら大変なので、使い捨てのビニール手袋が理想です。


白色ワセリンを塗ったら、サランラップで押さえます。

寝ている間にシワになりますので、サランラップは広めに貼るのがコツです。

箱のカッターナイフで皮膚を傷つけないように気を付けて。


以上をオムツ交換の度に繰り返してください。

オムツ交換の頻度は、私は六時間おきに交換していました。

汚れていなくても六時間で交換です。


オムツ交換の度にサランラップをはがして、

ティッシュでそっと押さえ拭きをして古いワセリンを取り除きます。

そして、新しい白色ワセリンを穴に詰め込んで、サランラップで押さえます。

その処置の繰り返しです。ですから、一日に三回も四回も処置します。

そうしないと、尾骨の場合、オシッコなどが入り込んで、雑菌に侵される恐れがあります。

その処置をしながら、2〜3時間置きに体位変換をします。



実戦では、オムツ交換、縟瘡の処置、体位変換、食事、などが絡んできます。

食事の時間によっても体位変換の時間は変わってきますので、

私はメモ帳に次回の体位変換の時間を書いていました ( 下写真 )。

そうしないと、時間がゴチャゴチャになって、1時間 2時間すぐに経ってしまいます。

治そうと思えば時間は正確なほうがいいです。






以下 2025-1/29 加筆

前述した処置を繰り返していると、縟瘡の穴の周囲に少しずつ肉が付いてきます。

母の場合、かなりの日数がかかりました。約 2か月〜3か月はかかると思ってください。

治す段階で食事の栄養が大事になります。カリウム分を多く含む食事や飲み物がいいようです。

もし、わからなければ、医者に頼めばカリウムの粉薬があります。それを食事に混ぜればいいです。


体位変換の時には、掛け布団は全部とって、足のかかとなどにも注意してください。

縟瘡は身体のいたるところに出ますから、気を付けていないと、何か所もできたら苦労します。

足はバスタオルを丸めて浮かせます。体位変換の度にタオルの位置を変えて血流に気を遣います。


尾骨の場合は背中の一方に枕を入れます。

前述したように血流をつくってあげればいい訳ですから、ほんの少し浮いている程度でいいです。

私は最初の頃、大きく右左へ向かせていましたが、そんなに大きく向かせなくとも、ほんの少しでいいです。


エコールなどの介護用品を扱う所に縟瘡予防の電動エアマットのレンタルがあります。

いろんなタイプがあるようですが、それらは、あくまでも予防のための物です。

縟瘡ができてしまったら、介護する人がこまめに体位変換をしてあげるしかないです。


念を押しますが、縟瘡を薬で治そうとしてもダメです。

こまめな体位変換、それしか術は無いと心得てください。


また、浮かせていればいいんだろうと、一方だけへ向かせたままにしますと、こんどは

肩の辺りに重量がかかりますから、肩に縟瘡が出るんです。ほんと涙が出ますよ。

とにかく、こまめな体位変換をする必要があり、介護する人の努力と愛情にかかります。



つづきにします。






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