トップページ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
パソコン趣味
後日推敲御免
記事を手書きで書いていた頃は、私がパソコンを使うようになるとは思いもしなかった。
記事や文章というものは、鉛筆や万年筆の手書きでこそ心がこもるのだと、そう確信していた。
しかし、原稿用紙に鉛筆で手書きをしていると、やたらと消しゴムのカスが散乱する。
掃除など 1年に 1回するかしないかのその頃の私の机の上には、消しゴムのカスが
センチ単位で積もっていたはずだ。その消しゴムのカスの上に資料本が積み重なり、
資料本を取りあげる度に本にくっ付いた消しゴムのカスがバラバラと原稿用紙の上に落ちる。
その落ちたカスを山で拾ったトンビか何かの羽根でサッサッと掃いて再び黙々と書くのである。
ある日、あんまりにも消しゴムのカスがたまるものだから、鉛筆書きから万年筆書きに変えてみた。
そうしたら、こんどは原稿用紙の切り繋ぎが待っていた。記事が前後した部分をハサミで切り、
正しい位置に並べ、原稿用紙を糊付けするのである。これも慣れたら早いが、四百字詰めが
五百字になったり六百字になったりする。丁寧な仕事をする私には 。^^。 とても耐えられない。
再び消しゴムのカスと格闘する。消しゴムは特大サイズであるが、すぐに小さくなっていた。
まあ言うならば、それほど私の文章書きは未熟だったということの証でもある。
極め付けは記事に副える写真をどうするか、ということになった。小説なら写真など必要ないが、
言わば論文記事であるから説明証明写真が必要になる。編集屋で本にした時のページサンプルを
持ち帰り、ミリ単位で写真の振り付け部分の図面を引いた。あぁ、こんなことは、やっていられない。
私は歴史家であり、編集家ではないのだ、とは思ったものの、それを乗り越えないと本にならない。
パソコンをやってみようと思ったのは、そうした手書き苦労の体験があったからである。
なんとしてでもパソコンを修得しないと、再び消しゴムのカスと格闘することになる。
幸いにして、我が家から歩いてでも行ける距離にパソコン教室の看板が上がっている。
事務所の門を叩いてみた。その時、私の年齢はすでに五十歳を間近にしていた。
パソコン操作に関しては、それまでにワープロを買ってはみたものの、何も出来なかった。
なぜワープロが出来なかったかと言うと、ブラインドタッチに執着していたからである。
ブラインドタッチとは、キーボードを見ないで文字を打つことを言う。
つまり、私はキーの文字配列を覚えようとしていたのである。
そのことに関しては、後に、パソコンの先生に言われた一言で悟りが開けた。
その一言とは、「打っている内に指が自然に打つキーの位置へ行くようになる。
キーの文字の位置なんて先生も覚えてはいない。だから、キーボードの文字の
図を書けと言われても書けない。」と、そういうような内容だった。
なるほど見えて来た。指が覚えるまで打てということだ。
教室に通い始めた最初の頃はプリントの文章を打つワードの使い方が主だった。
いま振り返ると、たったの一行の文章を打つのにも随分と時間がかかった。
キーの場所を探しながら、指一本で、え〜っと、と、あったあった、と、打つのである。
季節は真冬でありながら、汗がダラダラと流れ落ちる、まあそんな感じだった。
パソコン操作に関しては、習いながら全部ノートにメモした。
先生に説明をちょっと待ってもらって、操作順に、あのボタンを押して、
このボタンを押して、と、全部メモしていった。
しかし、メモしても、教室のパソコンと私のパソコンとでは何か雰囲気が違う。
その雰囲気が違うだけで、わからなくなるのである。最初はそんなものだ。
私が最初に買った自分のパソコンは悲惨だった。
わからない所が出て来たら短気を起こしてぶっ叩くものだからキズだらけ。
極め付けは、重いデスクトップパソコンを部屋の外へ放り投げたこと。
ガシャ〜ンとひどい音がして、キーボードがカランカランと、のた打った。
ほんとに惨めな気分だった。翌朝、気を取り直して繋いだら動いた。
それから後、二年間も使ったのだから、案外と丈夫に出来ている。
私は物に当たり散らす悪い性格があって、直さなくてはとは思うものの、
この年になって直す気もせず、まあ、人に当たり散らすことはないから、
このままいくことにしている。家族に当たり散らすようになっちゃおしまいだ。
やがて数カ月後に教習はホームページの作成へと流れ込む。
いよいよ専攻している古代史のホームページの作成段階まで漕ぎ着けた。
そこで難題が起きる。ホームページビルダーの使い方はソフトによって違う。
実際には同じことなのだけれど、始めて間もない私には「私は誰?」になってしまう。
写真編集も習わないといけない。意を決して先生に自宅まで来て教えてもらえないか相談した。
二十代の若い女の先生なので、相談するのをためらったが、来てもらえることになった。
当時の私はすでに離婚して独身だったので、部屋に来てもらうことに問題はなく、
先生も独身だった。来てもらえる以上、絶対に変なことは出来ないと心に誓う。
私が変なことをすれば、パソコン編集を出来るようにするという望みは消えてしまう。
いや、それ以上に、二十代の若い女性を五十爺が不幸にしてはならない。
先生との間隔は、わずか数センチ、時にはくっ付くので、時に欲望も出るかもしれないが、
必死に耐えることにした。そうして耐えて来たものだから、昨今のセクハラ騒動には非常に腹が立つ。
ましてや政治家がその程度の欲望に耐えられないようでは政治は勤まるまい。
さて、習う時、私は二冊のノートを用意した。
一冊は習ったことをメモしておくノート。もう一冊は質問帳である。
普段やっていての疑問点をメモしておいて、質問するための覚え書きである。
質問が溜まったら先生に連絡して来てもらうという方法。
そして、習う時にはそのメモで質問をして、教習を進行してもらった。
教習料金は想像以上に安くしてくださったのでありがたかった。
そうしたことをくり返しながら三年ぐらいが過ぎて行った
私も段々と上達して、先生に来てもらうことも少なくなった。
一塊の寂しさはあったが、ホームページを作るという私の望みは叶えられた。
これ以上何を望むのか、先生に最後に来てもらった時の先生は綺麗だった。
それ以来、職場をやめてしまわれたらしく、音信不通になった。
動画作成編集を習おうと思っていたのだが、他の先生では私はダメだ。
今まで習った写真編集などを基に独学でやろうと決心する。
後日推敲御免
ホームページの作成に関しては、当時すでにブログメーカーが幾つかあった。
それらを利用すれば比較的簡単に書くことはできたのだが、あえて利用せずに
ホームページビルダーソフトで作成する方向へ進む。痛くもカネが要る。
しかし、今振り返ると、そのことは大正解だった。
自分の思う通りのホームページが作れるからだ。
あの煩わしい閲覧回数の競い合いが無いことは穏やかに運営出来る。
閲覧回数(視聴率)を上げるには試聴者に合わせないと見てもらえない。
古代史をひっくり返そうとしているホームページが他人に合わせていたのでは役に立たない。
そうした訳で、自分専用のホームページなら、閲覧回数などを気にすることなくアップが出来る。
だから、最初は難儀しても自分だけのホームページの作り方を習ったことは良かった。
当時の私は、本を出版した時の借金が残っていたから、ソフト代の一万数千円は痛かった。
しかし、ホームページソフトを買わないことにはホームページは作れない。
なんとか、やり繰りをして購入した。ところが、難関はまだ待っていた。
ホームページに写真を載せるには、フォトショップという写真専用ソフトが必要になる。
約一万数千円也。そういうふうに最初の頃は金が次々と飛んで行った。
ホームページを作ってからも、プロバイダーやらサーバーやらへの登録費用。
さらには検索エンジンへの登録費用など、次々と金は飛んで行った。
だが、今振り返ると、そうしたことの経験は私にとっての大きな知識として残っている。
諸々のソフトは一回買っておけば数年は使える。現に、当時買った V 9 という
ホームページビルダーソフトはつい最近まで使っていた。実に十数年使えたことになる。
一万数千円程度の出費で十数年も使えるのだから考え様である。
今は最新の 21 ソフトを使っている。
21 には「EC」「SP」「クラシック」という三種類のバリエーションがある。
EC と SP は簡単に作れるタイプで、見た目も綺麗に仕上がる。
クラシックは昔からの改良版で、使いこなすのは少し難しい。
私はその難しいほうを習ったので、このブログもクラシックで作っている。
EC と SP は簡単に作れるがゆえの見落としが見られるホームページもある。
どういうことかと言うと、写真である。簡単に言うと、表示に時間がかかる、つまり、重い。
アメブロなどのブログ専用のサイトは写真を自動縮小してくれるはずだ。 だが、
ホームページビルダーは写真の自動縮小はしてくれない。重いままの写真を小さく縮めるタイプだ。
だから、写真をデジカメからストレートに載せると重い場合があり、その重さが表示の遅速に影響する。
表示が遅いと、お客さんはイラつき、次からは見てくれなくなるかもしれない。表示速度は大事である。
その写真の重さは使っているデジカメによって変わって来るが、おおかたは縮小しないと重い。
私の場合、このホームページに載せる写真は 1枚 1枚すべて縮小して載せている。
つづく
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
トップページ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・